初恋の甘い仕上げ方
振り返った翔平君の顔も嬉しそうで、私の気持ちもぐっと温かくなる……なんてことをゆっくり喜んでいる場合じゃない。
「ど、どうしよう、ちゃんと服を着て、コーヒーの用意でも……やだ、ブラが落ちちゃってどこに……」
翔平君との甘い時間に浸り過ぎて、両親たちが来ることをすっかり忘れていた自分を叱りながら、私は急いで身なりを整える。
私の慌てる姿を見ながら、翔平君はモニター越しに「取り込み中だから、五分後に上がってきて」と言っているし。
キスマークは見えないだろうかとか、翔平君と並んだ私の顔は緩んでないだろうかと焦る気持ちは最高潮だ。
翔平君に見られないようにブラウスで素肌を隠したまま、どうにか身につけたブラジャーのホックに悪戦苦闘していると、またもや慣れた手つきで翔平君が完了させてくれた。
「あ、ありがとう」
振り返り、照れる気持ちを隠しながらそう言うと、翔平君が背後から私を抱きしめてくれた。
私のお腹の上で交差された翔平君の腕に手を置いて、その温かさに浸りたいと思いつつ。
「急がなきゃ、母さんたちが来るよ」
「ん。……多分、俺と萌のこれからについて、俺たち以上に楽しく語り明かすと思うぞ」