初恋の甘い仕上げ方


その笑い声につられて美乃里さんも笑い、私の両親もようやく緊張が解けたようだった。

そして私は、私だけの一方通行の想いではないと、はっきりと口にしてくれた翔平君の格好よさに見惚れながらも、聞き慣れないその言葉に照れくさくなった。

私の成長なんて、一体なんのことだか見当もつかないし、翔平君に追いかけられるなんてそんな幸せな未来、想像もできない。

きっと、これからも私が翔平君のあとを必死で追いかけていくに違いないし、それこそ望むところだ。

長すぎる初恋を手離さず諦めず、これまでの私の人生のどこにも翔平君の姿があるという私の頑張り。

かなりの精神力と努力が必要だったけれど、それを翔平君が「俺を諦めずにいてくれてよかった」と肯定してくれて、本当に嬉しい。

そして、これからの私の人生のどこかしこにも、翔平君がいてくれるという幸せ。

気づけば私は翔平君の背中に抱きつき、うれし涙を流していた。

そんな私の様子をきっかけに、翔平君のご両親が喜びのあまり買い込んできたたくさんのワインやいきつけのお店で用意してもらったという料理をキッチンに広げ、喜びに満ちた祝宴が夜明けまで続いた。







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