麗雪神話~幻の水辺の告白~
3
どれほどそうして道なきジャングルを進んだだろう。
不意にセレイアの鼻が、水の匂いを感じ取った。
(この近くに水場があるんだわ)
セレイアの胸がはやった。
草をかき分ける手ももどかしく、服は破け傷だらけになりながら、セレイアは駆ける。
そして月明かりに幻想的に浮かぶ、小さな水辺にたどり着いた。
ちょうど木々の開けたところにあるその水辺は、静かな水面に鏡のように月を映して、この世のものとは思えぬ神聖な空気を持っていた。
トリステアの神殿の空気に似ている。
(アプロマイトは…!?)
セレイアは視線を走らせたが、暗いためにあまりよく見えない。
―なんとしてもアプロマイトを探さねば。
セレイアはじゃぶじゃぶと、服が濡れるのも構わず水の中に入っていった。
体中の擦り傷に水が沁みて痛い。
けれどそんなことには構っていられなかった。
小さく見えて、水はかなりの深さがあった。あっというまに胸元まで、水の中に沈んでしまう。
熱帯に近い気候とはいえ、水は冷たく肌を刺す。
それでも一歩一歩進んでいくと、水はいよいよ深さを増し、セレイアの首もとまで迫ってきた。
不意にセレイアの鼻が、水の匂いを感じ取った。
(この近くに水場があるんだわ)
セレイアの胸がはやった。
草をかき分ける手ももどかしく、服は破け傷だらけになりながら、セレイアは駆ける。
そして月明かりに幻想的に浮かぶ、小さな水辺にたどり着いた。
ちょうど木々の開けたところにあるその水辺は、静かな水面に鏡のように月を映して、この世のものとは思えぬ神聖な空気を持っていた。
トリステアの神殿の空気に似ている。
(アプロマイトは…!?)
セレイアは視線を走らせたが、暗いためにあまりよく見えない。
―なんとしてもアプロマイトを探さねば。
セレイアはじゃぶじゃぶと、服が濡れるのも構わず水の中に入っていった。
体中の擦り傷に水が沁みて痛い。
けれどそんなことには構っていられなかった。
小さく見えて、水はかなりの深さがあった。あっというまに胸元まで、水の中に沈んでしまう。
熱帯に近い気候とはいえ、水は冷たく肌を刺す。
それでも一歩一歩進んでいくと、水はいよいよ深さを増し、セレイアの首もとまで迫ってきた。