麗雪神話~幻の水辺の告白~
石と煉瓦でつくられた住居は、変わった形をしている。
何戸もの家が一列につながっており、その上にちょこんととんがり屋根が乗っているかたちだ。どの家も階層は低く、せいぜい二階建てといったところか。
そんな中で、街の中央に一際目を引く高い建物があった。
同じく石と煉瓦でつくられたであろう建物だが、上に行くほど狭くなる台形をしていて、最上段の祭壇のような場所へ、風にさらされた階段がななめ一直線に続いているのが見える。神殿のようなものだろうか。
何気なく近くを通りかかった住人に訊いてみると、この街を治める貴族の邸宅であるとのことだった。この国では、力あるものがあのような古代文明の神殿風の建物を建てるのだという。
よく見ればその建物は、まだ建設中だった。
連なった一般住居も、建設中のものが多いことに気付く。
それについても訊ねると…
「戦争のせいだよ…。
この土地も、制圧されてまだ間もないのさ。
このエイフォーティクの王様は、制圧した街をすべて取り壊し、伝統的な自国風の街並みに変えてしまうのさ、ほら、見て御覧」
通りすがった住人は、広場の方を指差した。
何やら煙が上がっている。それも、入道雲のようにもくもくとした、大きな煙だ。
「いったい何を燃やしているんですか?」
「…見ればわかるさ」
何戸もの家が一列につながっており、その上にちょこんととんがり屋根が乗っているかたちだ。どの家も階層は低く、せいぜい二階建てといったところか。
そんな中で、街の中央に一際目を引く高い建物があった。
同じく石と煉瓦でつくられたであろう建物だが、上に行くほど狭くなる台形をしていて、最上段の祭壇のような場所へ、風にさらされた階段がななめ一直線に続いているのが見える。神殿のようなものだろうか。
何気なく近くを通りかかった住人に訊いてみると、この街を治める貴族の邸宅であるとのことだった。この国では、力あるものがあのような古代文明の神殿風の建物を建てるのだという。
よく見ればその建物は、まだ建設中だった。
連なった一般住居も、建設中のものが多いことに気付く。
それについても訊ねると…
「戦争のせいだよ…。
この土地も、制圧されてまだ間もないのさ。
このエイフォーティクの王様は、制圧した街をすべて取り壊し、伝統的な自国風の街並みに変えてしまうのさ、ほら、見て御覧」
通りすがった住人は、広場の方を指差した。
何やら煙が上がっている。それも、入道雲のようにもくもくとした、大きな煙だ。
「いったい何を燃やしているんですか?」
「…見ればわかるさ」