麗雪神話~幻の水辺の告白~
セレイアたちはなんだか気になったので、広場まで行ってみることにした。
そしてそこで目にしたものに、戦慄した。
広場の中心で焼かれていたもの。
次々と炎の中に投げ込まれていくそれは、大量の、「本」だったのだ。
「蛮族の本をすべて燃やせーっ!」
笑いながら、兵士たちが本を塵へと変えていく。
本は文化であり、歴史だ。
人々の生きてきた足跡だ。
たとえ異国の人々のものだといえど、それをこんなふうに燃やしてしまうなんて……。
それほどまでに他国の文化が認められないのだろうか。
「私、この国のこと…好きになれそうにないわ」
思わずセレイアが呟くと、ディセル達も同意するように頷いた。
衝撃的なものを見たせいで、なんとなく暗い空気の一行は、宿でさらに暗い情報を手にすることになった。
食事処の客たちが、噂しているのを聞いたのだ。
「この国の王様は、悪魔と手を結んじまったんじゃないか…」
「ああ、あの、“霧”の話だろう? 最前線で敵方にだけ襲い掛かるっていう、不気味な“霧”…新しい兵器かも知れないって話だけど…」
「ここんとこやってる戦のすべてに、“霧”が出るんだろう? 敵にしか影響しない今ならまだいいが、もしも俺らのほうにまでやってきたらと思うと…なぁ」
そしてそこで目にしたものに、戦慄した。
広場の中心で焼かれていたもの。
次々と炎の中に投げ込まれていくそれは、大量の、「本」だったのだ。
「蛮族の本をすべて燃やせーっ!」
笑いながら、兵士たちが本を塵へと変えていく。
本は文化であり、歴史だ。
人々の生きてきた足跡だ。
たとえ異国の人々のものだといえど、それをこんなふうに燃やしてしまうなんて……。
それほどまでに他国の文化が認められないのだろうか。
「私、この国のこと…好きになれそうにないわ」
思わずセレイアが呟くと、ディセル達も同意するように頷いた。
衝撃的なものを見たせいで、なんとなく暗い空気の一行は、宿でさらに暗い情報を手にすることになった。
食事処の客たちが、噂しているのを聞いたのだ。
「この国の王様は、悪魔と手を結んじまったんじゃないか…」
「ああ、あの、“霧”の話だろう? 最前線で敵方にだけ襲い掛かるっていう、不気味な“霧”…新しい兵器かも知れないって話だけど…」
「ここんとこやってる戦のすべてに、“霧”が出るんだろう? 敵にしか影響しない今ならまだいいが、もしも俺らのほうにまでやってきたらと思うと…なぁ」