麗雪神話~幻の水辺の告白~
「単刀直入に聞く。“世代交代”とはなんだ?」

時間がないので、サラマスは早速本題に入った。

ヴェインは答えるだろうか。

その表情からは、何も読み取れない。

「何もなにも…そのままの意味だよ。世代が変わる。すべてがひっくりかえる、面白いくらいにね」

「……」

―全てがひっくりかえる。

(どういう意味だ……?)

サラマスはさらに突っ込んで聞きたかったが、とにかく時間がないし、ヴェインが今以上の情報を答えるとも思えない。よって、次に質問に移った。

「その世代交代で、何を企んでいる?」

「それを僕が正直に答えると思う? 頭の悪い奴は嫌いだなぁ」

「……答える気はない、か……。
そもそも貴様は何者だ?
皇帝は同じ“神”だと紹介したが…天上界に君臨する神々の中に、お前のような者など見たことも聞いたこともないぞ?」

サラマスの言に、ヴェインは露骨に嫌そうな顔をした。

何か琴線に触れることを言ってしまっただろうか。
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