麗雪神話~幻の水辺の告白~
3
(絶対にやらかしたな、俺)
しみじみと、サラマスは内心でつぶやく。
与えられた皇宮の一室のバルコニーから、青い空を見上げながら、
(条件の付け方がまずかった。まずすぎた。くっそぉ…)
サラマスが提案した通り、レコンダムはサラマスの所持していたブレスレットを用いて、飛天の能力者捜しを始めていた。
このブレスレットを装備できた者に、金貨を与えると、都中にお触れを出したのだ。
そのおかげで皇宮は連日訪問者で賑わっている。
そこまではいいのだが…。
―そのブレスレットが本物であれば、条件を呑み、サラマスにすべての情報を与える。
皇帝はそう約束した。
だが本物かどうか、それが問題なのだ。
どんなに連日挑戦者で賑わっていても、いまだにブレスレットに触れられる者すら現れない以上、ブレスレットが本物かどうかも、わからない。
それを理由に、いまだに皇帝から、欲しい情報を聞きだせずにいるのだった。
ちょっと考えればわかりそうな、初歩的な交渉術の失敗である。
「くっそぉぉ……」
しかも、明日から狩猟祭がはじまってしまう。
一週間続く狩猟祭の、最後の日に、天上界への扉が開く予定だったと記憶している。
仲間たちがいまだにばらばらのこんな状態で、本当に天上界へ帰れるのか。
そもそも、夜の虹のペンダントはちゃんと完成したのだろうか?
しみじみと、サラマスは内心でつぶやく。
与えられた皇宮の一室のバルコニーから、青い空を見上げながら、
(条件の付け方がまずかった。まずすぎた。くっそぉ…)
サラマスが提案した通り、レコンダムはサラマスの所持していたブレスレットを用いて、飛天の能力者捜しを始めていた。
このブレスレットを装備できた者に、金貨を与えると、都中にお触れを出したのだ。
そのおかげで皇宮は連日訪問者で賑わっている。
そこまではいいのだが…。
―そのブレスレットが本物であれば、条件を呑み、サラマスにすべての情報を与える。
皇帝はそう約束した。
だが本物かどうか、それが問題なのだ。
どんなに連日挑戦者で賑わっていても、いまだにブレスレットに触れられる者すら現れない以上、ブレスレットが本物かどうかも、わからない。
それを理由に、いまだに皇帝から、欲しい情報を聞きだせずにいるのだった。
ちょっと考えればわかりそうな、初歩的な交渉術の失敗である。
「くっそぉぉ……」
しかも、明日から狩猟祭がはじまってしまう。
一週間続く狩猟祭の、最後の日に、天上界への扉が開く予定だったと記憶している。
仲間たちがいまだにばらばらのこんな状態で、本当に天上界へ帰れるのか。
そもそも、夜の虹のペンダントはちゃんと完成したのだろうか?