麗雪神話~幻の水辺の告白~

「レコンダム、覚悟!!」

シルフェの隣にいた人間の青年が、剣を手にレコンダムのもとへと突っ込んでいった。

「何奴!」

プラトーがすぐさま青年に剣を向けるが、シルフェの風の壁に阻まれ、皇帝と青年に近づけないようだ。

「シルフェ、よく聞いてくれ!
天上界へのゲートを開けてはならない。こいつらは天上界を狙っているんだ!」

「ええ!?」

シルフェは目を見開き、困惑の表情を見せた。

「でも、合図はしてしまったわ。
ゲートは今夜、どうしたって開いてしまうのよ――」

サラマスの予想通りの答えだった。

「わかった。ならゲートが開く前に、レコンダムとヴェインを討って、野望を阻止するしかない!」

「…わかったわ!」

シルフェの視線が、愉快そうになりゆきを眺めているヴェインへと向かう。

ヴェインは余裕たっぷりの表情で笑っていた。

「…へえ、やっぱりそういう魂胆で僕たちと一緒にいたんだ、サラマス。
でも、そうやすやすと、この計画を邪魔されるわけにはいかないんだよね。
いいよ、僕がお前たちを葬ってやる」
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