麗雪神話~幻の水辺の告白~
「すごいわシルフェ! この配置…そこなら王様たちが秘密の通路ですぐ、裏のジャングルに逃げられる。奥宮はそこに違いないわ」

素晴らしい情報に、思わず感嘆の声をあげると、シルフェは得意げに胸を張った。

「まあね。僕、えらい? サラマス♪」

サラマスは淡々とした口調で流した。

「はいはい、えらいえらい」

その反応が不満だったのか、シルフェが頬を膨らませる。

「サラマスがそんなんなら、僕もう偵察なんてやらないからっ」

このセリフにより、セレイアとディセルの無言の睨みを、サラマスが受けることとなった。

サラマスは少し慌てたように、シルフェの頭を撫でる。

「わかったよ、よくやった。これからもよろしく。…これでいいか?」

シルフェは撫でられてご満悦だ。…単純である。

さて、忍び込むべき奥宮の場所は分かった。

そこのどこに、皇帝の私室があるのか。

四人は議論をかわし、最終的にまずは最上階から探してみようと言うことになった。

―王様なら、一番安全な最上階に部屋を持つと思う。

それが全員一致の意見だったからだ。

「それじゃあいよいよ、侵入作戦だけど―」

四人は夜遅くまで、ああでもないこうでもない、と王宮侵入作戦を語り合ったのだった。
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