麗雪神話~幻の水辺の告白~
ディセルの瞳に剣呑な光が宿った。
「俺たちの忠告が聞けないと言うなら、俺たちがヴェインを倒すだけだ。命が惜しければ、奴の居場所を――教えろ」
ディセルが氷の剣を王の首筋に突きつけると、ふむ、と皇帝は思案するような表情になった。
「教えると思うか?
奴は、我が野望に必要な存在。
お前たちに勝手に潰されては困るのでな…
よし、遊びはここまで。お前たちには、消えてもらうとしよう」
不意に皇帝がぱちんと指を鳴らすと――――
衝立の影、家具の影、カーテンの影、扉の影から、ざっと兵士たちが姿を現した。
皆完全武装で、剣や槍を構えている。
「どういうこと!?」
まるでセレイアたちが訪れることが、わかっていたようではないか。
兵たちは外からもぞろぞろと室内へ侵入してくる。
数十人はいるだろう。
たった三人で、この場を切り抜けられるか…―――。
あっというまに、三人は衛兵たちに囲まれてしまった。
セレイアはぎり、と唇をかむ。
できれば大立ち回りはしたくなかったのだが…。
「殺せ」
レコンダムの声が冷酷にそう命令した途端、戦端は開かれた。
「俺たちの忠告が聞けないと言うなら、俺たちがヴェインを倒すだけだ。命が惜しければ、奴の居場所を――教えろ」
ディセルが氷の剣を王の首筋に突きつけると、ふむ、と皇帝は思案するような表情になった。
「教えると思うか?
奴は、我が野望に必要な存在。
お前たちに勝手に潰されては困るのでな…
よし、遊びはここまで。お前たちには、消えてもらうとしよう」
不意に皇帝がぱちんと指を鳴らすと――――
衝立の影、家具の影、カーテンの影、扉の影から、ざっと兵士たちが姿を現した。
皆完全武装で、剣や槍を構えている。
「どういうこと!?」
まるでセレイアたちが訪れることが、わかっていたようではないか。
兵たちは外からもぞろぞろと室内へ侵入してくる。
数十人はいるだろう。
たった三人で、この場を切り抜けられるか…―――。
あっというまに、三人は衛兵たちに囲まれてしまった。
セレイアはぎり、と唇をかむ。
できれば大立ち回りはしたくなかったのだが…。
「殺せ」
レコンダムの声が冷酷にそう命令した途端、戦端は開かれた。