麗雪神話~幻の水辺の告白~
第三章 言えない言葉
1
街をひた駆けている最中も、拠点としている廃屋に帰りついてからも、セレイアとディセルの二人はずっと無言だった。
作戦の失敗。大失敗。
それが、二人に衝撃を与えていた。
プミラだけそこにいて、共に先に帰っているはずの、サラマスの姿もない。
何かあったのかもしれない。
ヴェインの居場所も知ることができず、四人がばらばらになってしまうなど、予想だにしなかったことだ。
サラマスは、シルフェは、無事だろうか。
そう思うといてもたってもいられなくなって、セレイアはがばりと顔を上げた。
「ねえディセル、やっぱり王宮に戻って――――」
「今はだめだよセレイア。俺たちまで捕まるだけだ」
ディセルは冷静だ。
「二人はきっと、無事でここに帰ってくるよ。今は待とう。へたに動いてこの拠点のことを知られてしまったら、それこそ大変なんだから」
「……そう、ね」
二人は神だ。
人間相手に後れをとるとは思えない。
作戦の失敗。大失敗。
それが、二人に衝撃を与えていた。
プミラだけそこにいて、共に先に帰っているはずの、サラマスの姿もない。
何かあったのかもしれない。
ヴェインの居場所も知ることができず、四人がばらばらになってしまうなど、予想だにしなかったことだ。
サラマスは、シルフェは、無事だろうか。
そう思うといてもたってもいられなくなって、セレイアはがばりと顔を上げた。
「ねえディセル、やっぱり王宮に戻って――――」
「今はだめだよセレイア。俺たちまで捕まるだけだ」
ディセルは冷静だ。
「二人はきっと、無事でここに帰ってくるよ。今は待とう。へたに動いてこの拠点のことを知られてしまったら、それこそ大変なんだから」
「……そう、ね」
二人は神だ。
人間相手に後れをとるとは思えない。