麗雪神話~幻の水辺の告白~
サラマスに促され、セレイアは調理を始めた。
四人で旅をするようになって、一番気を遣うのはこの、調理の時だった。
(ほんと、神様たちって、味の好みにうるさいのよね…)
サラマスは超辛党。
シルフェは超甘党。
ディセルは熱いものがだめ。
なのでそれぞれのために微妙に味付けを変えて、供さなければならないのである。
そんな器用な真似ができるのはどうやらセレイアだけのようなので、必然的に調理係はいつもセレイアとなっていた。
できあがったのは、トリステアの郷土料理ナシル(小麦粉を練ってつくった生地に、たくさんのスパイスで味付けした肉や野菜をはさんだもの)を、空中庭園王国サティエイトで手に入れた調味料で味付けした、独特の料理だった。
唐辛子で真っ赤になったものをサラマスの皿に。
砂糖で甘く仕上げたものをシルフェの皿に。
そして良く冷ましたものをディセルの皿に乗せた。
「生地も具もまだたくさんあるから、おかわりしたかったらご自由にどうぞ」
すっかり日も落ちて暗くなった中、サラマスの炎の灯りを受けながら、四人は晩御飯を食べ始めた。
四人は最初こそ仲良く食べていたが、それぞれおかわりをする頃になると、最後の肉をめぐって言い争いとなった。
「それ、僕の肉!」
「俺のだよ!」
シルフェとサラマスが睨み合う。
四人で旅をするようになって、一番気を遣うのはこの、調理の時だった。
(ほんと、神様たちって、味の好みにうるさいのよね…)
サラマスは超辛党。
シルフェは超甘党。
ディセルは熱いものがだめ。
なのでそれぞれのために微妙に味付けを変えて、供さなければならないのである。
そんな器用な真似ができるのはどうやらセレイアだけのようなので、必然的に調理係はいつもセレイアとなっていた。
できあがったのは、トリステアの郷土料理ナシル(小麦粉を練ってつくった生地に、たくさんのスパイスで味付けした肉や野菜をはさんだもの)を、空中庭園王国サティエイトで手に入れた調味料で味付けした、独特の料理だった。
唐辛子で真っ赤になったものをサラマスの皿に。
砂糖で甘く仕上げたものをシルフェの皿に。
そして良く冷ましたものをディセルの皿に乗せた。
「生地も具もまだたくさんあるから、おかわりしたかったらご自由にどうぞ」
すっかり日も落ちて暗くなった中、サラマスの炎の灯りを受けながら、四人は晩御飯を食べ始めた。
四人は最初こそ仲良く食べていたが、それぞれおかわりをする頃になると、最後の肉をめぐって言い争いとなった。
「それ、僕の肉!」
「俺のだよ!」
シルフェとサラマスが睨み合う。