麗雪神話~幻の水辺の告白~
2
二人はそれから何時間もサラマスやシルフェを待ったが、彼らが帰ってくる気配はなかった。
不安な気持ちを抱えながらも、夜明けが近づいてきた頃、二人はそれぞれに別室で休むことにした。
眠ろうとしても、なかなか寝付けない。
それはサラマスとシルフェのことが心配だからと言うのもあるが、それよりもディセルのことを考えてしまうからだった。迫り来るディセルとの別れのことを。
ディセルに、何か言うべき言葉があるはずだという気がする。
けれどそれはなんなのか、わからない。
…わかりたくない?
(ディセル……)
もう何度目になるかわからない寝返りを打った時。
セレイアの肌がしっとりとした独特の空気を感じ取った。
はっと目を開けると、視界が紫色に煙っている。
セレイアは急いで身を起こし、隣室へと駆けこんだ。
「ディセル! 起きて! 霧よ!」
不安な気持ちを抱えながらも、夜明けが近づいてきた頃、二人はそれぞれに別室で休むことにした。
眠ろうとしても、なかなか寝付けない。
それはサラマスとシルフェのことが心配だからと言うのもあるが、それよりもディセルのことを考えてしまうからだった。迫り来るディセルとの別れのことを。
ディセルに、何か言うべき言葉があるはずだという気がする。
けれどそれはなんなのか、わからない。
…わかりたくない?
(ディセル……)
もう何度目になるかわからない寝返りを打った時。
セレイアの肌がしっとりとした独特の空気を感じ取った。
はっと目を開けると、視界が紫色に煙っている。
セレイアは急いで身を起こし、隣室へと駆けこんだ。
「ディセル! 起きて! 霧よ!」