麗雪神話~幻の水辺の告白~
「…わかった。
あんたに協力する。あんたの傘下で、武将として働こう」
すいと、皇帝が満足そうに目を細めた。
「よい判断だ。
牢番、牢を開けよ。
この青年をここから出してやれ。
衛兵、湯殿を使わせ、彼を客間に案内せよ。
青年、名は?」
「…俺の名は、サラマス」
「サラマス。我が駒として、存分に働いてもらうぞ」
「わかったよ」
答えながら、サラマスは自分の判断が正しかったかどうか自信を持てずにいた。
適当に言うことを聞いて情報を得て、隙を見て逃げ出すつもりでいたが、この男から逃げ出すのは容易でないような予感がしたからだった。
現に今、サラマスを見下ろす皇帝の瞳は微笑んでいてなおぞっとするほど冷たい。
ふと、シルフェの笑顔が脳裏に蘇った。
同じ美しい笑みでも、皇帝とシルフェは対極にある。
そしてサラマスは、シルフェのあたたかな笑みを、なぜだがこの時とても懐かしく感じたのだった。
あんたに協力する。あんたの傘下で、武将として働こう」
すいと、皇帝が満足そうに目を細めた。
「よい判断だ。
牢番、牢を開けよ。
この青年をここから出してやれ。
衛兵、湯殿を使わせ、彼を客間に案内せよ。
青年、名は?」
「…俺の名は、サラマス」
「サラマス。我が駒として、存分に働いてもらうぞ」
「わかったよ」
答えながら、サラマスは自分の判断が正しかったかどうか自信を持てずにいた。
適当に言うことを聞いて情報を得て、隙を見て逃げ出すつもりでいたが、この男から逃げ出すのは容易でないような予感がしたからだった。
現に今、サラマスを見下ろす皇帝の瞳は微笑んでいてなおぞっとするほど冷たい。
ふと、シルフェの笑顔が脳裏に蘇った。
同じ美しい笑みでも、皇帝とシルフェは対極にある。
そしてサラマスは、シルフェのあたたかな笑みを、なぜだがこの時とても懐かしく感じたのだった。