麗雪神話~幻の水辺の告白~
(こいつぅ~~~!!)
ボリスは路地を曲がり右に左に折れて垣根を飛び越え、器用に追っ手をまいていく。
それでも追い付いてきた兵士が三人ほどいた。
シルフェたちは人気のない住宅街で三人の兵士に囲まれてしまった。
ボリスがすらりと抜刀し、剣を構える。
―あれ、かなりサマになってる。
ひょっとして武術の心得が…なんて考えている場合ではない。
「来るよ!」
シルフェはボリスの背に自らの背をあずけ、仕方なく短剣を鞘から引き抜いて構えた。
短剣技なら、達人のサラマスからある程度教わっているから、後れを取ることはないはず。
だがしかし、なぜ戦うことになっているのか、頭の片隅では納得がいっていない。
三人は一斉に、ボリスを狙って襲い掛かってきた。
ボリスは兵士二人の剣を、ひとつははじき、その勢いのままもうひとつを受け止める。さらにボリスの背中を狙った攻撃を、シルフェは夢中で、短剣で受け止めて防いだ。
「…! やるじゃないかシルフェ」
「よそ見しないで!」
やけっぱちで、シルフェは叫ぶ。
勝負はあっという間についた。
ボリスの剣技が、兵士たちを圧倒していたのだ。
実に軽やかに彼が剣をふるうと、一人、二人と、あっというまに斬り伏せられた。
最後に残った一人は、ボリスに敵わぬと悟ったのか、尻尾を巻いて逃げ出して行った。
「この町の裏にも隠れ家があるから、そこへ行くぞシルフェ」
「わかったよ……」
なんでこんなことに巻き込まれているのか、シルフェは運命を呪いたくなった。
ボリスは路地を曲がり右に左に折れて垣根を飛び越え、器用に追っ手をまいていく。
それでも追い付いてきた兵士が三人ほどいた。
シルフェたちは人気のない住宅街で三人の兵士に囲まれてしまった。
ボリスがすらりと抜刀し、剣を構える。
―あれ、かなりサマになってる。
ひょっとして武術の心得が…なんて考えている場合ではない。
「来るよ!」
シルフェはボリスの背に自らの背をあずけ、仕方なく短剣を鞘から引き抜いて構えた。
短剣技なら、達人のサラマスからある程度教わっているから、後れを取ることはないはず。
だがしかし、なぜ戦うことになっているのか、頭の片隅では納得がいっていない。
三人は一斉に、ボリスを狙って襲い掛かってきた。
ボリスは兵士二人の剣を、ひとつははじき、その勢いのままもうひとつを受け止める。さらにボリスの背中を狙った攻撃を、シルフェは夢中で、短剣で受け止めて防いだ。
「…! やるじゃないかシルフェ」
「よそ見しないで!」
やけっぱちで、シルフェは叫ぶ。
勝負はあっという間についた。
ボリスの剣技が、兵士たちを圧倒していたのだ。
実に軽やかに彼が剣をふるうと、一人、二人と、あっというまに斬り伏せられた。
最後に残った一人は、ボリスに敵わぬと悟ったのか、尻尾を巻いて逃げ出して行った。
「この町の裏にも隠れ家があるから、そこへ行くぞシルフェ」
「わかったよ……」
なんでこんなことに巻き込まれているのか、シルフェは運命を呪いたくなった。