麗雪神話~幻の水辺の告白~
今日も追いついてきた数人と斬り合いになった。
が、今日はシルフェの出る幕はなく、むしろボリスがシルフェを背後にかばい、守ってくれた。
無事追っ手をまいて隠れ家に戻って来てから、シルフェは改めてお礼を言った。
「さっきはありがとうボリス。私をかばってくれたでしょう?」
「…別に」
そっぽを向いたボリスの顔がちょっと赤い気がした。
「それより、これを使って体を温めろ。女が体を冷やすと、まずいだろ」
ぶっきらぼうにそう告げてボリスが差し出したのは、一枚の毛布だった。
(ボリス……)
不器用ながら、なんて優しい人なのだろう。
照れ隠しでさっさと背中を向けてしまうボリス。
カワイイ…とシルフェは思った。
不思議だった。
自分をさんざん利用して、自らが帝位につこうともくろんでいる男なのに。
いつのまにかシルフェは、自ら彼の手伝いをしたいと、そう思うようになっていたのだ。
が、今日はシルフェの出る幕はなく、むしろボリスがシルフェを背後にかばい、守ってくれた。
無事追っ手をまいて隠れ家に戻って来てから、シルフェは改めてお礼を言った。
「さっきはありがとうボリス。私をかばってくれたでしょう?」
「…別に」
そっぽを向いたボリスの顔がちょっと赤い気がした。
「それより、これを使って体を温めろ。女が体を冷やすと、まずいだろ」
ぶっきらぼうにそう告げてボリスが差し出したのは、一枚の毛布だった。
(ボリス……)
不器用ながら、なんて優しい人なのだろう。
照れ隠しでさっさと背中を向けてしまうボリス。
カワイイ…とシルフェは思った。
不思議だった。
自分をさんざん利用して、自らが帝位につこうともくろんでいる男なのに。
いつのまにかシルフェは、自ら彼の手伝いをしたいと、そう思うようになっていたのだ。