キミの一番大切な人
放課後。

職員室に行って、図書室の本を読んでみたいなんて適当な理由をつけて、図書室の鍵を借りた。


この学校ではほとんど使われていない図書室



生徒の教室がある校舎とは違う校舎の隅にあるから、行きたがる生徒なんてめったにいない



けど、だれにも話を聞かれずゆっくりと話を聞ける場所っていったら、図書室じゃないかなって思った。




図書室について鍵を開けて中に入る




図書室はほこりがいっぱいで、古い木の匂いがした。




私は、近くにあった椅子のほこりをはらう




……中山くん来てくれるといいな




けど、中山くんは全然来なくて…


まつこと一時間。


もう帰ろっかな…


そう思って、私は椅子から立ち上がった



しかし図書室から出ようとした時、目の前に中山くんが現れた


「ごめん松川。



手紙気づいてなくて…




さっき委員会終わって教室に帰った時に気がついたんだ


本当ごめんな…」



そう言う中山くんの顔にやっぱりいつもの笑顔はなくて。




「ねえ、中山くん


今、つらい?」



「うん、すげえ辛い」



「椅子に座ってお話ししよ?


雛さんのこと。



中山くんが楽になるまで私たくさん話聞くから」
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