キミの一番大切な人
それからどうやって中山くんと話したのかわからない


お母さんに頼まれたものは、ちゃんと買ってきてリビングにそっと置いてきて



そして部屋に入った途端私はベッドの上で泣いた




初恋って、甘くて、ドキドキして、楽しいものだって思ってた




けど、現実はそんなに甘くなかった




まさか、長年違う人に片思いしている人を好きになるなんて



告白して振られたのに、まだ諦めがついていない彼を好きになるなんて




「そんなの考えてなかったよ…」




私はそっと呟いて、再び涙を流した



なんか複雑だ。本当に。






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「ん…今何時…?」



いつのまにか寝てた…



携帯で時間を確認すると…



「げっ…もう10時じゃん」



5時ぐらいに家に着いたのに、こんなに寝てたなんて



私は慌ててリビングに行くと、お母さんが私の方を見た



「理沙、ご飯の時部屋に呼びに行ったんだけど、布団にうずくまって、ぐっすり眠ってたから、起こしにくくて…



ごめんね」



お母さんは私に謝ってきた


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