そっと、心に。(仮)







「それにしても、さ、さすがだね愛夕ちゃんっ・・・!」

「え?あ、まあね。慣れたし」

「「・・・・ハァ。」」

「え?!何なんでそこで2人して死んだ魚の目みたいになってるの!?」




慣れたし、なんて言ってみたいものですな。



まあ、でも別に、ね。






「(私はいいや・・・―――)」



ズズズズ、と自動販売機で買った温かいココアを飲みながら私達3人は歩き出した。








――・・・・







「さっむーい・・・」

「太陽しっかり出てるのにね・・・」

「太陽もっとしっかりしろやー!!もっと火を出せ火を!!!」

「・・・陽、あんたはいいよ、うん・・・・」




え!?何で!?ってわざとおどける私。


それを見ていまだにドライな愛夕と、可愛くクスっと笑うみっちゃん。









・・・―――うん、やっぱ、いいな。




こういう居場所って


凄く、居心地が良い。






高校生も、今日をもって卒業なわけで。


今までみたいに、制服を着て馬鹿みたいに

はしゃぐ事はもうないんだなーなんて思うと


寂しいような、どこか切ないような。





それでも、この“居場所”だけは


・・・―― 変わらないでいてほしい。





そう思えるのは、大切な愛夕とみっちゃんがいるからで。




それだけで、私は幸せなんだって、思えるよ。











< 11 / 16 >

この作品をシェア

pagetop