そっと、心に。(仮)
「じゃあ、また後でねーっ!」
「うん!またね!」
「美月遅れちゃ駄目だからねーっ」
学校から少し離れた所で、みっちゃんとバイバイ。
と言っても、この後夜にクラスでの集まりとしてご飯を食べに行くからすぐに会える。
みっちゃんを見送って、自転車をゆっくり引きながら歩き出す私と愛夕。
愛夕と私は、小学生の時から一緒。
クラスはたまに離れたりもしたけど、それでも一緒に帰るのは当たり前で。
家だって徒歩5分くらい程度の距離。
この気が強くて可愛いお嬢様みたいな愛夕には、まあいろいろとお世話になっております。
「ほんとにお世話よ、まったく」
「え!?また聞こえてんの?!」
「あ、それより今日来るでしょ?」
「(ふ、普通にスルーされた・・・)んー、まあ、た、たぶん?」
「最後なんだしさー、思いで作りとして参加したら?」
「えー。思い出なんて愛夕さえいれば私の心にあるアルバムは全て埋まるよ!!!」
「あーハイハイ。で、行くでしょ?」
「(この子は私の話を聞いていないんじゃ・・・!?)でも、お酒とか・・・飲むでしょ?」
カタカタ、と
自転車の車輪が回る音が静かに響いている。
それに合わせるかのように2人は歩幅を合わせてゆっくり進む。