そっと、心に。(仮)
家に着くなり、愛夕は遠慮もせずにズカズカと私の部屋へと足を運ぶ。
「あ、愛夕ちゃんいらっしゃ~い」
「おばさんどうも!お邪魔するねっ」
「どうぞどうぞ~っ!あ、飲み物何か持って行こうかしら?」
「いいよお母さん!後で私やるし!」
リビングから、ひょいと顔を出すお母さん。
何か作ってたのだろうか、片手に野菜を持っていた。
・・・私が今日晩ご飯食べないのをいいことに、何かご馳走でも作るんじゃ・・・。
「あらそう。じゃあ何かあったら言ってね」
「うん!あ、今日は・・・――― 「陽ー!何してんのよー!」
すでに私の部屋にいるのか、2階から呼ぶ声がした。
「(後で聞けばいっか)はいよー!今行くー!」
当たり前のように家に来て、当たり前のように私の部屋に向かう愛夕。
まあ、もうこんなの慣れっこだけど。
小学生から一緒な2人の中では当り前で。
私が愛夕の家に行ってもこんな感じなわけだから文句は言えない。
“ ドタドタ ――― ”
「ていうか愛夕!いきなり私の家に行こうなんて一体・・・――、っ??」
急いで階段を上り
見慣れた部屋に入った瞬間、
「さあて。一体何のつもりでしょうかっ」
「・・・・な、何すかその武器・・・」
手に何やら武器のようなものを(そう見えるだけ)持ち、可愛くも不適に笑う愛夕が待っていました。