そっと、心に。(仮)
「・・・・」
「・・・ん~・・・やっぱまだ長さ足りないかなあ」
「・・・・あ、あのう・・・」
「まあ、でも引退して切ってないぶん少しは伸びたから。うん、これくらいで丁度良いかなー」
「あ、愛夕・・・」
「ん?何?熱い?」
「う、ううんっ!全然!そこは大丈夫なんだけど、」
「じゃあ何よ。あと少しで仕上がるからもう少し待ってて」
「は、はい・・・」
愛夕が持っていた武器は、愛夕が愛用しているコテだった。
可愛らしいピンク色の武・・・じゃなくてコテを使い、長いとは言えない私の髪の毛をくるくると巻いている愛夕。
愛夕は腰まである綺麗なウェーブのかかった艶ある髪の毛だ。
それに比べて、セミロングと言えるかどうか微妙な私の髪の毛をいじるのは、簡単ではないだろう。
だけど
愛夕はそんな事もろともせず
「っはい、出来たわよ」
「お、おぉおっ・・・!くるくる!!」
「当たり前よ。愛夕様ナメんじゃないわよ」
たった10分そこらで、終わらせてしまった。