そっと、心に。(仮)
いきなり現れたかと思いきや、顔を真っ赤にしながら告白しだした男の子。
・・・・後輩、だろうか。
上履きを見ると私たちとは違う色をしていた。
さっきまでギャーギャー泣いて騒いでいた私とみっちゃん(美月)はいつの間にか静かになって
「え、あたし・・・?」
「はっ、はい!!!ずっと前から柴崎さんのことがっ・・・!」
「「・・・・」」
猫のような声を出す愛夕と男の子を見守っていた。
「(愛夕め・・・私達の前ではそんな声しないくせに!)」
なんて思っているだけで声には出せない。
だって、ねえ・・・。
こんな事言ったら私の命が危うい。うんかなり真面目に。
「あ、愛夕ちゃん・・・さすがだね・・・」
「し、親友としては嬉しいけどねっ・・・!」
困ったように笑うみっちゃんこと、美月は同じクラスで一番仲良しだった友達。
中学が同じだった事もあり、愛夕とも何回か同じクラスになった事があるみっちゃん。
3人で遊ぶ事だって少なくない。
そんでもって、みっちゃんもべっぴんさんなわけで。
この世に、私が一番不細工なのではないかと思い知らされている毎日であります・・・。
「でも、男の子・・・か、かわいそう・・・」
「・・・うん・・・」
なんて、小声でのみっちゃんとのやり取りは愛夕達に聞こえるはずもなく、
「よ、良かったら・・・お、俺と付き合ってくだ・・・―――」
「ごめんっ!・・・あたし、彼氏いるんだっ」
猫のような魅惑する声で、きっぱりと断った愛夕。