本当のわたし
テスト週間の次の週はもちろん成績発表とテスト返却。

30位まで張り出されるらしいけど、どうせそこには俺の名前はない。

A組にいるけど、B組にいる人達より少しできるくらいで別に勉強ができるわけじゃないから。

モデルでも俳優でも頭の良い人はいるだろうし。

別に見に行かなくても良いって言ってるのに「俺1人じゃ見れねー!」とか言う俊に無理矢理引っ張ってこられた。

なにやらまた舞美と勝負しているようで30位内を取らないといけないそう。

相変わらずすぎるカップルだな。

「お!あった!やったああ!6位だ!」

「よかったな。」

「あ!三木さんまた1位じゃん!すご!」

俊の言葉に順位表に目をやると1番上にある美月の名前。やっぱりすげぇ。

「俺、舞美に報告してくる!」

そう言って歩きだす俊。
無理矢理連れてきたくせに放置かよ。
まあいいんだけど。
めんどくさいのでゆっくり俊の後を追いつつ教室へ戻る。

その途中で春樹、生徒会長、俊をボコボコにしながら小悪魔のように笑う美月をみた。

生徒会長は悲しそうにトボトボと帰って行き、俊は舞美に報告しに再び歩きだす。

春樹は辻本さんは励まされていたので声をかけることにした。

「名前、書いたか?」

「お前までそれ聞くのかよ〜!!」

春樹の悲痛の叫びに辻本は大笑い。

辻本が笑いながら理由を説明してくれるので俺も思わず笑ってしまった。

美月は生徒会長の事を「残念なイケメン」というけど俺にとっちゃ春樹がそうだと思う。

だってこいつ意外と天然なところあるし。

「おい!お前までなんか失礼な事考えてるだろ!?」

「気にすんな!」

そう言って春樹の肩を叩く。
大丈夫だ、お前にはそのスタイルと顔があるさ!
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