本当のわたし
「母さんにだっているだろ。ばあちゃんとか叔母さん、それに三木さんだって…」
クソ女は悲しそうに笑って首を横に振った。
「それでも私のことを母さんって呼んでくれるなんてやっぱりあなたは優しい子ね。私とは大違い。陸斗の言う通り、私は自分の幸せしか考えていなかった。陸斗に言われるまで気づかなかったわ。私は愛される方法も、人を愛す方法もわからないもの。」
クソ女がこんな風に弱音を言うところなんて見たことがなかった。陸斗と再婚する前だってクソ女は俺の前では決して泣くことはしなかったから。
「私はお母さんにとって憎い子なのよ。だって私はお父さんの浮気相手の子供だから。お姉ちゃんだってきっと私の事を妹だなんて思ってないわよ。今でも覚えてる。友達と遊んで家に帰ったら家には何も残ってなくてそこにはお父さんもお母さんもいなくて、泣きじゃくっていたら近所の人が通報してくれた。そこからの記憶は曖昧だけど気づいたら知らない女の人と少し年上の女の子がいて「家族になろう」って言われた。それが今のお母さんとお姉ちゃん。2人にとって私はお父さんを奪った女の子供。愛せる訳がないじゃない。それでも大切に、私が不自由しないようにって育ててくれた事には感謝してる。でもきっと私のことが憎かったはずよ。そうじゃなかったら陸斗と結婚する時に縁を切るなんて言わないじゃない。それに太一さんにだってずっと大切な人がいる。その人に私が敵うわけない。初めはそれでもよかったはずなのに。側にいれればそれでよかったはずなのに…」
クソ女は悲しそうに笑って首を横に振った。
「それでも私のことを母さんって呼んでくれるなんてやっぱりあなたは優しい子ね。私とは大違い。陸斗の言う通り、私は自分の幸せしか考えていなかった。陸斗に言われるまで気づかなかったわ。私は愛される方法も、人を愛す方法もわからないもの。」
クソ女がこんな風に弱音を言うところなんて見たことがなかった。陸斗と再婚する前だってクソ女は俺の前では決して泣くことはしなかったから。
「私はお母さんにとって憎い子なのよ。だって私はお父さんの浮気相手の子供だから。お姉ちゃんだってきっと私の事を妹だなんて思ってないわよ。今でも覚えてる。友達と遊んで家に帰ったら家には何も残ってなくてそこにはお父さんもお母さんもいなくて、泣きじゃくっていたら近所の人が通報してくれた。そこからの記憶は曖昧だけど気づいたら知らない女の人と少し年上の女の子がいて「家族になろう」って言われた。それが今のお母さんとお姉ちゃん。2人にとって私はお父さんを奪った女の子供。愛せる訳がないじゃない。それでも大切に、私が不自由しないようにって育ててくれた事には感謝してる。でもきっと私のことが憎かったはずよ。そうじゃなかったら陸斗と結婚する時に縁を切るなんて言わないじゃない。それに太一さんにだってずっと大切な人がいる。その人に私が敵うわけない。初めはそれでもよかったはずなのに。側にいれればそれでよかったはずなのに…」