本当のわたし
8月24日。

予定より1日早くこっちに帰ってきた。
25日の内覧会向けて陸斗が忙しそうだったので邪魔しちゃいけないと思って。

もうすぐ夏休みも終わる。

勉強会のメンバーで海に行った日。

美月に全部話したら泣きながら喜んでくれた。

「じゃあ本当になっちゃんになったんだね!せっかくみっちゃんって呼ぶ準備してたのにー!」

そう言って美月は無邪気に笑った。

その笑顔があまりにも綺麗で、海で夕陽というシチュエーションもあって勢いで告白しそうになったのは秘密の話。

「あたしもなっちゃんみたいに強くなれるかな。あたしも過去のこと乗り越えていけるかな」

美月は何処かへ消えてなくなりそうなくらい辛そうだった。

俺が美月にしてやれる事があるだろうか。
美月の優しい笑顔を守る事が俺にできるだろう。

自信なんてあまりないけど、絶対にそうしなきゃいけないんだと硬く誓った。

勉強会のメンバーで夏祭りに行った日は、辻本が迷子になるという事件が起きたけど、全力で焦る春樹があまりにも面白かった。

そういえばこの日は美月の提案で舞美も参加した。

「せっかくの夏祭りなのに恋人同士で行けないのは勿体ないよ!」

と言う美月に対して、

「地元の夏祭りに2人で行くから良いよ!」

と言う俊だったけど、舞美が美月に会いたいと言っていたのを思い出し結局連れてきた。

あまり簡単に人に心開かないタイプの美月がわりとすぐに舞美と打ち解けあっていたから舞美はやっぱり凄いやつなんだと思う。

辻本も入れて女子3人で遊ぶ約束もしていて凄く楽しそうだった。

楽しい高1の夏休みだったなぁ〜なんて思っているとあっという間に最寄駅につく。
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