本当のわたし
「夏川さんは優しいね。」

泣きながら笑う彼女は後悔でいっぱいの顔をしていた。

「私、簡単に弱音を吐くタイプじゃなかったのになぁー」

何かを決意したように家に向かってまた歩き出す。

「夏川さんさ、好きな人いるでしょ？」

「え？」

「私、こういうの当てるの得意なんだよねー」

得意げな顔をして笑う真山さんが何故か美月と被る。

真山さんと美月がなぜかよく被る。

「どんな子？」

「真山さんとどこか似てる気がする。何かを抱えてて弱そうだけど、根が強い子。でも強そうに見えて本当はすごく脆くて見張ってないとすぐ崩れ落ちてしまいそうな気がするんだよね。」

「守ってあげたくなる系か〜。やっぱり王道で良いね〜！」

「なんでそんなに楽しそうなの？」

「女の子は恋バナが好きなの！」

「へ〜。じゃあ真山さんは？真山さんには好きな人いないの？」

「いるよ！！！もう3年も片想いしてるんだぁ〜。だけどそれも叶うことは難しいんだよね。年々手が届かなくなっていくし。」

「そんな凄い人に恋してんの？」

「うん！見たらかっこよすぎて男の夏川さんでも惚れちゃうかもよ！？」

「いや、それは大丈夫だよ。俺にだって好きな人いるんだから。」

「あはは！そっかぁ〜！」
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