本当のわたし
「あ、ここで大丈夫だよ」

恋バナをしながら歩いたらメイプルの近くの角で止まった。

「危ないから良いよ。」

「いいの!いつもこっちに曲がってちゃんと家の方から入るんだけど、こんな泣いた顔を家族に見せられないからお店の方から入るから。じゃあね!」

そう言って走って行ってしまった。
彼女なりの最後の強がりだったんだろうか。

無事にメイプルのドアを開けたことを確認して俺も家路につく。

あ、そうだ。
一応、明日の確認しよう。
携帯を出し美月に連絡をいれる。

『明日、予定通りで大丈夫?』

送った瞬間に既読になる。

「はや!」

思わず声に出して突っ込んでしまう。

『あ!今あたしも連絡しようとしたところ!ごめん〜!30分だけ遅らせても良い?』

美月が予定変更なんて珍しい。

『大丈夫ー!じゃあ13時半に駅に集合で!』

『ありがとう!了解〜!』

そういえばどこに行くか美月から聞いてなかったな。

「空いてるならちょっと付き合ってほしいところがあるんだけど…」

そうとしか言われてなかったなぁ〜。
まあ明日になればわかることだし良いか!

やっべ!陸斗に連絡するの忘れてた。

『買い物してたから連絡するの遅くなった。今家に着いた』

まあ真山さんの靴買いに行ったし嘘ではないよな。

久しぶりに美月と2人で遊ぶ明日が楽しみだな。
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