本当のわたし
「じゃあ撮影頑張ってね。今度は海だね」

「おう！ありがとう！」

背を向けて歩き出す。

「三木。」

「ん？」

歩き出したら七瀬春樹に引き止められたので振り返るとすごく真剣な顔していた。
どうしたんだろう？

「俺はお前のこと応援してる。優希は優しすぎるくらいに優しい反面で誰より寂しがり屋だから。それに絶対に弱音を口にしない。だから側にいってやって。」

「ありがとう。七瀬春樹もちゃんとなるのこと大切にしてよね〜！」

「任せとけ！」

「じゃあまたねー！」

人のことを想い、想われる。
それがどれだけ大変な事で、幸せな事なのか。それはきっと体験した人にしかわからないこと。

この世に生まれてきて、人から想われる幸せを自分を愛してくれる人から学ぶ。

それは親に限らず、身近にいる全ての人がそれに該当すると思う。

だからそれを今度は自分が誰かに繋げないといけない。

誰かを想い、その誰かにその想いを繋いでいく。

人と想う大切さを知ってる人が本当に強い人間だと言えるのではないだろうか。

人から想われ続けることは難しいこと。
人を想い続けることは辛いこともある。

でもそうやって人は人の痛みを知っていくんだと思う。

どうやったって生きていたら人と関わる事は避けて通れない。

人の痛みがわからないのは結果としていつか自分が大怪我を負う結果になる。
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