本当のわたし
その時は陸斗は画家としては未熟で無名だった。
だから収入はほぼなし。

でも生活するためにバイトをしてて、そのお金と母親が稼いでいるお金で生活していた。

つまり、女に養って貰ってる陸斗が情けなくて大嫌いだった。

母親は、それはそれで幸せだって言ってたけど。

でも陸斗の描く絵は繊細で綺麗で
陸斗そのものだった。それが少し好きだと思った。

なんて今でも言えるわけないけどな。

陸斗と結婚してから母親はどんどん女になった。メイクをして、服に気を使うようになった。
今までプリンで気にしなかった髪の毛はきちんと整えられ本当に女になった。恋してる女に。

それもそれで気に食わなかった。
今思えば、母親を取られたような気がしてたのかもしれない。
母親から恋してる女に変わってしまった母親を受け入れられなかったのかもしれない。
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