本当のわたし
「矢作みなみ先生、保健室の」

「いやそれは知ってるんだけど、どういう?」

俊くんの頭パンクしそうでちょっと面白い。

「お姉ちゃんなんだよね。3人とも同じ学校にいるっていうのもなんか変な話だよねー」

「矢作先生って今年赴任してきたらしいじゃん。卒業してすぐに結婚とかすげぇ」

「え?違うよ?みなちゃんは大学生の時に学生結婚してるんだよね。旦那さんが海外に行かなきゃいけなくなって離れるなら結婚したいってみなちゃんから逆プロポーズしたの」

「旦那さんってこの前文化祭にきてた春さんって人?」

「うん。そうだよ!」

「なんか三木さんの周りの人間って凄い人ばっかりだな」

俊くんの言葉に胸が暖かくなった。
やっぱり家族が褒められるって嬉しいことだし誇らしいって思う。

「類は友を呼ぶってやつだな。三木だって凄いだろ。容姿端麗で頭良いし」

まってなっちゃん。さらっとあたしの事、綺麗って言った?すっごく嬉しくて照れるんだけど。どうしよう。綺麗とか可愛いなんて言われなれてるのに好きな人から言われるってこんなに嬉しいものなんだね。

「まあ確かに!三木さんってクールビューティーだし!」

「お前そんな事ばっかり言ってると舞美(まみ)とまた喧嘩するぞ?」

「「「舞美???」」」

「お前!バカ〜!舞美の名前だすなよ!」

あれなんか今日みんなと声が揃う事多くないですか?これ流行ってるの?

「別にいいじゃん。隠す事でもないだろう」

「まあそうなんだけど!俺には俺のタイミングがあったのにー!!」

「相変わらずうるさいね…。舞美?ちゃんって一体誰?」
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