本当のわたし
携帯を取り出して陸斗に電話をかける。

「もしもし?」

「あ、でた。今どこにいんの?」

「今はね、イタリアにいるよ。」

「また海外かよ。もうすぐ夏休みだからそっちに行こうかなと思って。いつ戻ってくんの?」

「あと1週間くらいかな〜。その前にテストあるんじゃないの?勉強してるー?」

「してるわ!俺はお前と違って頭が良いの!」

「なら良いんだけど。今回は俺、英語教えてあげられないからちょっと心配」

「大丈夫だよ。今は凄い人が教えてくれてるから」

「凄い人?俊くんじゃなくて?」

「ちげえーよ!高校で会った友達」

「へぇ〜。新しい友達かぁ〜!会ってみたいな。」

「また今度な。」

陸斗と話すと気が抜けていくような気がする。変に大人ぶらず話せる。
陸斗は三木に会ったらなんて言うかな。
シャイなだから何にも話せなさそうだなぁ〜。
ちょっと見てみたいかも笑。

「なあ陸斗。日本に戻ってきたらさ一緒に会いに行きたい人がいるんだけど。」

「え?さっき言ってた凄い人?」

「違くて。ばあちゃん達」

「…」

「ばあちゃん達もきっと陸斗に会いたいと思うぜ。それに俺1人だとやっぱりどこか勇気がもてないからさ」

「わかったよ。」

「ありがとう。」


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