本当のわたし
陸斗との電話を終えて家に帰ると俊はまだ舞美と電話をしていた。

「あ、優希帰ってきた!」

「どんだけ話してたんだよ。」

「だってお前がなかなか帰ってこないから!」

「優希!!俊に私にも勉強教えるように言ってよ!」

「教えてやれよ。お前の彼女だろうが。」

「だって〜舞美と勉強してるとやっぱり僕は男の子だからさ、その」

「ちょっと!優希の前でなんてこと言うのよ!」

「お前、頭は良いくせにバカだよな」

「なんだよー!2人してー!」

変わらねぇな。
小学校の頃は2人でしょっちゅう夫婦漫才してたし、付き合ってたからも毎日のように言い合いしてたし。

「小田切舞美(おだぎりまみ)です!
よろしくお願いします。」

舞美は俺らが小4の時に転校してきた。
とにかく明るくて活発で男勝りでいつも俺らと一緒になって木登りとかしてた。性別とか見た目と関係なく分け隔てなく平等に接する。その性格から女子からも絶大な人気があった。男子に弄られて泣いてる女子のこととかよく庇ってたしな。

空手をやっている影響もあって、体格差が出てくる時期になっても舞美が喧嘩で負けるなんてことは全くなかった。

舞美曰く
「お母さんさんがね、自分の身は自分で守れるようになりなさい。そして強くなって大切な人を守れるようになりなさいって言ってたから私は強くなるんだ!」らしい。

舞美に負けじと俊は空手をやってみたり、サッカーをやってみたり、せめても勉強で勝ちたいとか言って必死に勉強してた。

俊の頭の良さはそこからきてるんだと思う。

本当にすごいカップルだ。
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