君とまたあの空の下で。
美樹は私の目をじっと見つめた。


「あのね、私正直最初一ノ瀬くんの話聞いた時そんな漫画みたいな話あるの?ってちょっと疑ってた。」


そうだよね、漫画みたいな話だよね・・・


「でも、夏の涙をみて、嘘じゃないんだって、ずっとずっと辛かったんだろうなって」

そう言う美樹の瞳には涙が溜まっていた。私は驚いて


「み、美樹なんで泣いて──」


遮るように美樹は


「自分が恥ずかしい。親友の話疑って、辛いのすらも気がついてあげられなくてっっっっ」

「そ、そんなこと」

「そんなことある!!」

美樹はそれからしばらく黙ってしまった。

私たちはまた海を眺めた

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