君 に “ 首 っ た け ” 。
「今日から新学期でしょ?クラス、一緒になってくれたら助かるんだけど」
お母さんは、私の面倒を見てくれる翔陽を可愛がっている。
お父さんも、それに嫌な気はしていないみたいだし、翔陽は私の“お世話係”でもあるって、私の家族みんなそう言ってる。
「翔陽、なんも言わないの?」
「え?」
もりもりとご飯を食べる彼に、不意にそう聞いてみる。
すると、いつも翔陽は嫌な顔一つしないで、どっちかというと笑顔で言ってる。
「俺は、嫌いな事は絶対にしたくない人だから、本当に嫌ならやらないよ」
……むしろ、好きだよ。
って。