天然年下彼氏。
ある日の残業中。
仕事場に残ったのは真衣と凌だけだった。
『……真衣さん?』
パソコンのキーボードを叩く音だけが響いていたオフィスに彼の声が突然聞こえて、驚いた。
『なっ、なに、』
上ずる声を抑えながら答えると
『なんか飲みます?』
普通の質問。
なにかと思えば、と彼の顔に目をやると、暗がりのなかで端正な顔立ちが麗しく見えた。
意外とイケメンだった。じーっと見つめていると
『……僕の顔になんかついてます?』
顔をゆっくりのぞき込まれ、
『………………………………』
近距離に思わず照れてしまった。
『?』
首をかしげながら給湯室に向かう後ろ姿を、また見つめてしまった。
なんだこれ。
なにドキドキしてんだわたし。