眠りの森のシンデレラ


「まーりちゃん、おっはー」


「やだー、しょーくんチャラーイふふっ」



私よりも可愛い小野田さんには、彼氏がいる。

瀬戸 翔太。

不幸なことに、未だに番号順の席で座っている私たちのクラスでは、瀬戸くんが私の前の席。


そんな瀬戸くんは私がいじめられてるのを知ってか知らずか話しかけてくる。


「妃奈ちゃーん、おっはよー」


「瀬戸くん、おはよう」


瀬戸くんの笑顔に偽りはなく、私も素直に彼に笑いかける。


そんな私を小野田さんは気に入らないわけで。
でも流石に彼氏の前じゃ手を出しにくいのか、睨んでくるだけ。


はぁ、ほんと、困ったなぁ。


そんな中HRを告げるチャイムがなり、皆自分の席へ戻る。
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