眠りの森のシンデレラ


「あ、そちらの方はさっき一緒に踊っていた人ですか?」


小野田さん、まだ気づいてないのか、良かった。


でも、どうしよう……


先輩と背中合わせになるようにして、なるべく小野田さんたちの視界に入らないようにする。

先輩は何を思ったのか知らないが、チラッと視線を送るだけで、何もしない。


どうしよう、いつまでもこうしておくわけにはいかないし……


私の思いは届くわけもなく、3人は話し続ける。

愛梨も来てないけど、もう、帰ろうかな?


先輩の袖を引っ張り、先輩に顔を向ける。


「私、もう帰りますね

今日はありがとうございました」

「え、ちょ、ひめちゃん?」

「じゃあ」

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