眠りの森のシンデレラ
「ひめちゃん!」
「えっ!先輩!」
私が走って帰ろうとすると、先輩が追いかけてきた。
……後におまけも連れて。
お願いだから、こないでよ……
「ひめちゃん、まって!」
「きゃあっ」
先輩に呼び止められると当時に、腕をつかまれる。
チラ、と後ろを見てみると小野田さんたちも走ってくる。
……普通、関係ないんだから来ないでしょ?
「大神先輩っどうしたんですかっ急にっ」
息を切らしながら瀬戸くんが声をかけるが、先輩はそっちを見ようとしない。
「ひめちゃん、どうしたの?何かあった?」
「ごめんなさいっ」
はやく、バレる前に、行かなきゃ
先輩を突き飛ばし、走る。
と言っても女の私の力じゃそんなにダメージもなく、すこしふらついただけの先輩。
「ひめちゃんっ!」
大声で私を呼ぶだけで、もう追いかけては来ない。
……先輩、ごめんなさい