眠りの森のシンデレラ


「ひめちゃん!」

「えっ!先輩!」


私が走って帰ろうとすると、先輩が追いかけてきた。

……後におまけも連れて。


お願いだから、こないでよ……



「ひめちゃん、まって!」

「きゃあっ」


先輩に呼び止められると当時に、腕をつかまれる。

チラ、と後ろを見てみると小野田さんたちも走ってくる。


……普通、関係ないんだから来ないでしょ?


「大神先輩っどうしたんですかっ急にっ」


息を切らしながら瀬戸くんが声をかけるが、先輩はそっちを見ようとしない。


「ひめちゃん、どうしたの?何かあった?」

「ごめんなさいっ」


はやく、バレる前に、行かなきゃ

先輩を突き飛ばし、走る。
と言っても女の私の力じゃそんなにダメージもなく、すこしふらついただけの先輩。


「ひめちゃんっ!」


大声で私を呼ぶだけで、もう追いかけては来ない。


……先輩、ごめんなさい


< 102 / 138 >

この作品をシェア

pagetop