眠りの森のシンデレラ
先生の話、長いなぁ……
そんなことを考えながらボーっとしてると、突然前から瀬戸くんが話しかけてくる。
「妃奈ちゃーん、最近元気ないよね?
なんかあった?俺でよければ相談乗るよ?」
「そうかな?
あまり高校になれてないから、疲れたのかな?
あはは……」
「……そっか、無理すんなよ〜?」
普通なら、ありがたいとも言える言葉だけど……
あなたの彼女にいじめられてますなんて口が裂けても言えない私からすれば、迷惑以外のなんでもない。
「うん……ありがとう」
いつの間にかHRも終わって、気づけば一限目前の10分休憩。
「瀬戸内さん。一緒にトイレ行こっ?
ね?」
傍から見れば友達を誘ってるように見えるかもしれない。
私にとっては悪魔の誘いでしかなくて、真っ黒な笑顔に思わず苦笑い。
「うん……」