眠りの森のシンデレラ
携帯は、ある。
でも、かけるひとが、いない。
あぁ、こうなるんだったら友達のふたりやひとり作っておけばよかった……
今更後悔しても、もう遅い。
バタンッ
っ!
だれ……?
「あれ?
なんでこんなとこに机があるのさ……」
……っ
誰だかわからないけど、これはチャンスだ。
「ねぇお願い!それ、どかしてくれる?」
「え!?人入ってるの!?
ちょっとまってすぐどけるから!」
ギギギギ……
重いのだろうか、少し時間がかかったけど、どかしてくれた。
「ありがとう……」
「いーのいーの、てかなんでそんな所に入ってんのさ」
純粋に不思議だったのか、その瞳に邪気はなく私は素直に話してみた。