眠りの森のシンデレラ



「ふーん、そんなことがあったの

私、愛梨って言うの
クラスは3組。何かあったらおいで、ね?」


私を慰めるなんてことはなく、自己紹介をした、愛梨。
別に同情して欲しいわけじゃなかった私にとってはそれがありがたく、嬉しかった。


「ありがとう

私は……妃奈。瀬戸内、妃奈
クラスは4組だから、隣だねっ」


茶髪ショートで筋の通った鼻、二重のアーモンドアイの愛梨は、とっても美人でそんな愛梨が笑ってると私まで笑顔になる。


「ふーん、妃奈って可愛い顔してるんだね
やっぱり笑ってたほうがいいよ」


「っ」


さっきのことで焦っている時にメガネを外してしまったらしく、メガネがない。

……どうしようっ。


「なにか探してんの?

あ、もしかして、これ?」


愛梨が手渡してくれたのは私のメガネ。


「これ、机の下にあったんだけど、妃奈の?」


……たぶん、押し込まれた時に落ちたんだろう。


「ありがとう、ふふっ
メガネ落とすなんて私もバカだね」

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