眠りの森のシンデレラ
一限目も終わり、愛梨と別れ教室へ行く。
「っ!?」
小野田さんたちは私がトイレから出ていることにびっくり。
それもそうだろう。
私を助ける物好きなんて滅多にいないから。
席につくなり、瀬戸くんが話しかけてくる。
「妃奈ちゃん、もう大丈夫なの?」
「え?」
大丈夫?なにが?
もしかして、いじめのことを言ってるの?
「だって、麻里ちゃんが妃奈ちゃんお腹痛くて保健室行ったって言ってたし……」
あぁ、なるほど。
私が帰って来ないのはおかしいからね。
そういう事にしてたのか。
「うん。もう大丈夫だよ」
そういいながらニコッと瀬戸くんと小野田さんたちに微笑みかける。
あぁ、悔しそうな顔だな。
「そっか、ならよかった」