眠りの森のシンデレラ


「んん〜……」


目が覚めるとあたりは暗くなっており、急いで携帯に目を通す。


「6時45分……」


この時期は最終下校時間が7時だから、まだ間に合う。
おろしていた髪の毛を軽くくくり、メガネをかけ、出しっぱなしだった教科書をしまい図書室をでる。

この時間は部活生が多く残っており、学校に残っていても不思議ではない。


「あれ、妃奈?」


名前を呼ばれ振り向いてみると、


「愛梨……

どうしたの?」


「見てわかるでしょ、今から帰るの
私、陸上部だから」


愛梨は陸上部に入っているのか……

頭のメモ帳にメモしたところで、話しかけられる。


「妃奈こそどうしたの?

……部活はしてなさそうだけど」


不思議そうな顔をしてたずねられる。
それもそうか、部活生くらいしかこの時間に残ってる人はいない。


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