眠りの森のシンデレラ


「図書室にいたの
今日は、寝てたんだけどね」


嘘を付かずに、言ってみる。


「へぇ?
今日は、ねぇ……いつも行ってんの?」


「あー、うん
お父さんとお母さんのイチャイチャ邪魔したくないし」


苦笑いしながら言うと、愛梨は口を開けて笑った。


「あっははははっ
あんたの親、まだラブラブなんだ?

へぇ、いい娘を持ったね、その親」


未だに肩をピクピクさせながら言う愛梨は、本当に笑っているらしく、私まで笑ってしまう。


「ありがとう
でも、こっちも目の前でピンクオーラ振りまかれたらたまらないけどね」


「まぁ、そりゃそうだ
あっははははっ」


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