眠りの森のシンデレラ



キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン

1日を終えるチャイムがなり、俺の戦いが始まる。



「じゃあ拓也-タクヤ-、俺先行くから!」


「おぉ、蓮央-レオ-も大変だなぁ
頑張れよー」



チャイムが鳴るなり親友の拓也に別れを告げ、走る。


グズグズしてたら見つかっちまう……



「嘘ぉ!
大神くんもう帰ったの!?」


「えぇ!
こんなに急いで来たのに!」


「きっとまだ近くにいるよ!」



げっ……

女達の話し声が近くなり、逆方向に走り出す。



とりあえず、空き教室に隠れるべきだよなぁ


「あ、大神くんいた!?」


「いない!そっちは?」


「こっちもいない……
でも靴箱に靴は入ってたからまだいるはず!」


放課後、毎日恒例になりつつあるこの鬼ごっこは幼稚園児達がするような生温いものなんかではなく、捕まると鼻が潰れるくらい香水の濃い女に囲まれる……

恐怖の鬼ごっこ___

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