眠りの森のシンデレラ
拓也は1度は捕まってみたいなんてほざいているけど、あれには体験しないとわからない恐怖がある。
香水の匂いで鼻は曲がりそうだし、バッサバサの付けまつげで縁どられた目で見つめられるとまるで妖怪にに見つめられているようだし、なにより人の体をベタベタ触る手つきは一度体験するとしばらく感覚が残って気持ち悪い。
そんなわけで俺は女達から逃れるために今日も奮闘中ってわけだ。
あぁ、何でこんなにも追いかけられるかって言うとこの容姿のせい。
あまり自分では言いたくないけと、俺は結構イケメンの部類に入る。
父親譲りの切れ長の二重と母親譲りの筋の通った鼻。
後から自分で染めたミルクティー色の猫っ毛。
うん、自分で言うのもなんだけど、俺ってイケメン。
そんなこんなでこの恐怖の鬼ごっこ毎日あるわけで……