眠りの森のシンデレラ
「お母さんおはよう」
「あらおはよう、妃奈-ヒナ-
あんたまたそんな格好して……」
「なに?おかしい?」
お母さんはいつもわたしの格好に文句を言う。
「妃奈、素はいいんだからもっとお洒落しなさいよ」
まぁた始まった。
私は母親譲りの少し大きめのぱっちり二重の目と、形のいい唇。
そして父親譲りの少し垂れた眉と、小さめの鼻。
欲に言う、可愛い顔をしている。
それは、わかってる。
別に自意識過剰とかナルシストとかそういうんじゃなくて、周りに言われ続ければ嫌でも気づいてしまうってこと。
私は別に天然じゃないし、鈍感でもないと思う。