眠りの森のシンデレラ
「……はぁい」
「ったく。わかってんのかわかってないのか……」
「じゃあね、妃奈」
あの後ブツブツ言っている愛梨の話を聞き流しながら、気づけば学校に最寄りの駅に着いていた。
下駄箱で上履きに履き替え、教室の前に行き、愛理と分かれる。
ガラッ
「あら瀬戸内さん、おはよう」
こっちも相変わらずで、ずっと私に絡んでくる。
……まったく、飽きないのかね。
「おはよう」
「声が聞こえないわよ?
それと、お辞儀。しなさいよ」
……は?お辞儀?
「おはようございます」
「だから、お辞儀しなさいよ」
「なぜ?
私があなたにお辞儀をしなければならない理由を教えて」
「なっ」
私が小野田さんに反論するのは初めてで、小野田さんも周りの取り巻きも、宇宙人を見たような顔で私を見る。