眠りの森のシンデレラ



「ひーなちゃん」


いつの間にか来ていた瀬戸くんに起こされ、顔を上げる。



……こいつがこんな事するから私に迷惑かかってんのよ、まったく。



「瀬戸くん、どうしたの?」


腹の内の考えなんて顔に出さないよう、務めて笑顔で返す。


こっちは眠たいんだから寝かせてよね……



「先生の話、聞いてた?」


「え?」



私はつい今まで寝ていたんだから、聞いているわけがない。というか、いつの間にかHRもほぼ終わっていた。



「今度の週末、学校の体育館で他学年親睦パーティーするんだって。

妃奈ちゃんもくる?」


他学年親睦パーティー……めんどくさそうなイベント。


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